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本命の前に受ける練習の面接は、書類が通る企業で作る

「面接は場数」という言葉は半分だけ正しいです。練習に使う企業を間違えると、場数を踏んでも本命では通用しません。現場で練習枠をどう作っていたかを書きます。

作成:2026年11月1日

目次
結論:練習の面接に使うのは、その人の書類選考の通過が見込める企業です。エージェントが企業へ働きかけて「面接確約」に近い枠を取れることもあり、現場ではそうした枠を練習用に確保していました。誰でも受かる企業の面接は、本命の練習にはなりません。

※この記事で書いている進め方は、運営者が転職支援の現場にいた当時(〜4年前まで)の実体験です。書類選考を免除する「面接確約」のような枠は、現在の事業会社・SIerの中途採用では以前より減っている、というのが現役の企業担当側からの指摘です。「確約ありき」で計画を立てないでください。

本命を、一発勝負にしない

面接には、その人固有の「崩れ方」があります。経歴の説明が長くなる。技術の質問で深掘りされると曖昧になる。逆質問が用意できていない。こうした癖は、頭の中で対策している間は見えず、実際に面接の場に出て初めて表面化します。本命の面接でそれが起きれば、その場が最初で最後の検証になります。だから現場では、本命の前に練習の面接を約2社置く設計をしていました。練習は保険ではなく、本命の面接の精度を上げるための工程です。

まず最初にやるべき練習は、模擬面接

実企業の面接に入る前に、模擬面接を置いてください。担当エージェントに面接官役を頼むのが、手早い進め方です。企業側の席を知っている人間が面接官役をすると、本命で実際に聞かれる深掘りの型が再現できます。頼める相手がいない場合は、自分の受け答えを録画して見返すだけでも構いません。経歴の説明が長くなる、答えに詰まる、といった崩れ方は、声に出して録ると一度で見えてきます。

模擬面接で大まかな崩れ方を潰してから、実面接での練習に入る。これが順番です。実面接は、企業の担当者も時間を割いて用意している場です。準備なしの検証の場にしない。その前提で、本命と同じ圧力の中でしか検証できない部分を、実面接で確認します。

練習に使える企業の、3つの条件

1. 書類選考の通過が見込めること

大前提です。練習は面接の場でやるものですから、書類で落ちる企業は練習にすらなりません。「この人なら、この会社の書類は通せる」という見立てが立つ企業であることが、枠を作る側の条件でした。

2. 業務の中身が本命と近いこと

聞かれる質問の種類が本命と重なる企業でないと、検証になりません。運用保守から本命がクラウド構築なら、練習も構築寄りの業務の会社で受ける。職種の距離が近いほど、崩れ方の発見が本命に直結します。

3. 志望度は「中程度」でよいこと

練習先は、受かれば行ってもいいと思える会社であることが望ましい。本気度ゼロの会社では、こちらの緊張感も、企業側の質問の深さも本番と変わってしまいます。あくまで「本命ではないが、嘘のない志望度がある」会社。これが練習の質を保ちます。

面接の席は、企業の担当者も時間を割いて用意しています。受ける気のない企業を、練習のためだけに受けるのは勧めません。この記事で言う「練習の面接」は、「志望度はまだ固まっていないが、話を聞いて判断する意向は本当にある」企業で、本気で受けたうえで、本命より先に経験を積む進め方のことです。

「面接確約」の仕組み

エージェントの側から企業へ働きかけて、書類選考を経ずに、あるいは簡略化して面接の機会を確保できることがあります。企業側との関係が厚い担当者や、RA(企業担当)の席を持つ会社で起きやすい動きです。現場では、この確約に近い枠を「この人の練習に使う」と判断して回すことがありました。

求職者の側からできるのは、「本命の前に、書類が通る見込みのある会社で面接を2社ほど先に受けたい」と担当者に希望を伝えることです。練習という言葉をそのまま使っても構いません。良い担当者なら意図を汲んで枠を組んできますし、この希望への反応自体が、担当者の力量を見分ける材料にもなります。

誰でも受かる企業では、意味がない理由

ここは強調しておきます。採用意欲が高すぎて、ほぼ誰でも通る企業の面接を受けても練習にはなりません。理由は3つあります。

  • 質問が浅い。通す前提の面接では、経歴の深掘りや判断力を試す質問が出ません。本命で崩れる場所が、そのまま隠れてしまいます。
  • 緊張感が再現できない。落ちる可能性のない場では、答え方の癖も、時間配分の乱れも出てきません。
  • 「受かった」という誤った自信が付く。これが一番危うい。練習のつもりが、本命への油断に変わります。

練習の面接は「通ること」が目的ではなく、「本命と同じ種類の圧力の中で、自分の答えを検証すること」が目的です。通過の見込みは必要ですが、それは面接の場に立つための条件であって、合格そのものが目的ではありません。

練習の面接で確認すること

  • 経歴の説明を、指定された時間(長くても数分)で言い切れるか
  • 深掘りされたときに、担当範囲と自分の判断を具体的に話せるか
  • 「なぜ転職するのか」「なぜこの会社か」を、曖昧に濁さず言えるか
  • 逆質問を2つ以上、その会社に合わせて用意できているか
  • 面接後のフィードバックで、企業側からどんな評価が返ってきたか

終わったら、担当者からのフィードバックを必ず回収してください。自分では上手く話せたつもりでも、企業側の受け取りは違うことが多い。その差分こそが、練習で得るべき情報です。

練習の相手として避けたいケース

条件に加えて、避けた方がいいケースも挙げておきます。業務内容が本命とまったく違う会社(聞かれる質問が重ならない)、一次面接が担当者との顔合わせだけで終わる会社(検証の材料が薄い)、そして自分の志望度が低すぎて、どうしても本気になれない会社です。枠があっても、練習の目的に合わなければ使わない。その判断も設計の一部です。

本命までの置き方

練習は約2社、本命の面接が始まる前に置きます。間隔を詰めすぎると、フィードバックを対策に反映する時間がなくなります。1社目を受けて、崩れた場所を直し、2社目で再検証し、それから本命。この順番が組めるように、応募全体のスケジュールは逆算で決めてください。本命の日程が先に決まってしまった場合は、練習の間隔を短くしてでも順番だけは守る。順番の逆転、つまり本命が一番手になることだけは避けるべきです。

練習の1社目が終わったら、必ず振り返る

練習の効果は、受けた回数ではなく振り返りの質で決まります。終わったその日のうちに、次の3点を書き出してください。答えに詰まった質問。説明が長くなった箇所。企業側の反応が薄かった話題。フィードバックで担当者から聞いた評価と突き合わせると、「自分では話せたつもり」が崩れていた場所が見えてきます。2社目の前には、その箇所だけを作り直す。経歴の説明は短く言い切れる形に直し、深掘りに弱かった項目は、判断した場面の具体例を1つ用意する。この小さな修正の積み重ねが、本命での安定感になります。

日程の組み方で、順番を守る

実務的な注意も書いておきます。面接日程は、企業側の都合で希望通りにならないことが多い。本命の日程が練習より先に確定してしまうと、設計は崩れます。防ぎ方は2つ。応募の段階で担当者に「本命はこの会社で、その前に練習を2社置きたい」と順番の希望を先に渡しておくこと。そして、本命の応募自体を数日ずらして出すことです。応募のタイミングを自分で持つだけで、順番はかなり守れます。逆に、複数の窓口を併用している場合は、窓口ごとに日程が進んで順番が崩れやすい。本命の窓口は1つに決める、という複数登録の運用ルールはここでも効いてきます。

なお、練習先の企業にも失礼のない受け方をしてください。練習とはいえ、正規の選考です。内定が出たら辞退すること自体は転職活動では通常の判断ですが、最初から受ける気のない態度で臨むと、質問の受け答えの端々に表れますし、何より練習の質が落ちます。志望度が中程度でも、本気で受ける。それが練習を練習たらしめる条件です。

面接は、受ける順番も実力のうちです。本命を守るための設計を、先に組んでください。
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